きんりょうず金陵図
江雨霏霏江草斉
六朝如夢鳥空啼
無情最是台城柳
依旧煙籠十里堤
六朝如夢鳥空啼
無情最是台城柳
依旧煙籠十里堤
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
江雨 霏霏として江草斉し
六朝 夢の如く鳥 空しく啼く
無情は最も是れ台城の柳
旧に依りて煙は籠む十里の堤
現代語訳
川に雨がしとしと降り、岸の草は一面に生えそろう。六朝の栄華は夢のように消え、鳥だけがむなしく鳴いている。最も無情なのは台城の柳だ。昔と変わらず、十里の堤をもやのように包んで青々と茂っている。
原文と書き下し文の対照
江雨霏霏江草斉 ― 江雨 霏霏として江草斉し
六朝如夢鳥空啼 ― 六朝 夢の如く鳥 空しく啼く
無情最是台城柳 ― 無情は最も是れ台城の柳
依旧煙籠十里堤 ― 旧に依りて煙は籠む十里の堤
鑑賞
人の世の興亡を知らぬげに茂る柳を「無情」と呼ぶことで、懐古の悲しみを際立たせた一首です。
日本で親しまれる理由
「無情は最も是れ台城の柳」
語句
- 霏霏
- 雨が細かく降るさま
- 六朝
- 金陵に都した六つの王朝
- 台城
- 六朝の宮城
作者
韋荘の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
中国では「台城」と題されることが多い。「金陵図」は日本で通行する題で、金陵の絵に題した作とする説がある。