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さんせいそんにあそぶ遊山西村

陸游|南宋|七言律詩

莫笑農家臘酒渾
豊年留客足鶏豚
山重水複疑無路
柳暗花明又一村
簫鼓追随春社近
衣冠簡朴古風存
従今若許閑乗月
拄杖無時夜叩門
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

笑わらふ莫なかれ農家のうかの臘酒ろうしゅの渾にごれるを

豊年ほうねん 客かくを留とどめて鶏豚けいとん足たる

山やま重かさなり水みず複かさなりて路みち無なきかと疑うたがふに

柳やなぎ暗くらく花はな明あきらかにして又また一村いっそん

簫鼓しょうこ 追随ついずいして春社しゅんしゃ近ちかく

衣冠いかん 簡朴かんぼくにして古風こふう存そんす

今いまより若もし閑かんに月つきに乗じょうずるを許ゆるさば

杖つえを拄つきて時ときと無なく夜よる 門もんを叩たたかん

現代語訳

農家の暮れに仕込んだ濁り酒を笑わないでほしい。豊作の年で、客をもてなす鶏や豚もたっぷりある。山また山、川また川で、道がなくなったかと思うと、柳の緑が濃く花の明るく咲く中に、また一つ村が現れる。笛や太鼓が続いて春祭りも近く、人々の身なりは質素で昔ながらの風情が残っている。これからも、のんびり月夜に出歩くことが許されるなら、杖をついていつでも夜に門を叩きに来よう。

原文と書き下し文の対照

莫笑農家臘酒渾 ― 笑ふ莫かれ農家の臘酒の渾れるを
豊年留客足鶏豚 ― 豊年 客を留めて鶏豚足る
山重水複疑無路 ― 山重なり水複なりて路無きかと疑ふに
柳暗花明又一村 ― 柳暗く花明らかにして又た一村
簫鼓追随春社近 ― 簫鼓 追随して春社近く
衣冠簡朴古風存 ― 衣冠 簡朴にして古風存す
従今若許閑乗月 ― 今より若し閑に月に乗ずるを許さば
拄杖無時夜叩門 ― 杖を拄きて時と無く夜 門を叩かん

鑑賞

「山重水複路無きかと疑ふに、柳暗花明又一村」は、行き詰まったと思った先に新しい道が開けることのたとえとして、今も広く使われる名句です。

日本で親しまれる理由

「柳暗花明又一村」

語句

臘酒
十二月に仕込む酒
春社
春の土地神の祭り
拄杖
杖をつく

作者

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作られた背景

乾道三年(1167年)、官を退いて故郷の山陰(いまの紹興)にいた陸游の作。

この詩から生まれた名前

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