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しょくしょう蜀相

杜甫|盛唐|七言律詩

丞相祠堂何処尋
錦官城外柏森森
映階碧草自春色
隔葉黄鸝空好音
三顧頻繁天下計
両朝開済老臣心
出師未捷身先死
長使英雄涙満襟
詩

※日本で一般に読まれている本文によります。

書き下し文

丞相じょうしょうの祠堂しどう 何いずれの処ところにか尋たずねん

錦官城外きんかんじょうがい 柏はく森森しんしんたり

階かいに映えいずる碧草へきそうは自おのづから春色しゅんしょく

葉はを隔へだつる黄鸝こうりは空むなしく好音こうおん

三顧さんこ頻繁ひんぱんなり天下てんかの計けい

両朝りょうちょう開済かいさいす老臣ろうしんの心こころ

出師すいし未いまだ捷かたざるに身み先まづ死しし

長ながく英雄えいゆうをして涙なみだ襟えりに満みたしむ

現代語訳

蜀の丞相・諸葛亮の祠はどこに訪ねればよいか。成都の城外、柏の木がこんもり茂る所だ。階段に映える緑の草はひとりでに春の色、葉陰のうぐいすはむなしく美しい声で鳴く。劉備は三度も訪ねて天下の計を問い、亮は二代の君主に仕えて老臣の真心を尽くした。だが出陣して勝利を得ないうちに先に世を去り、後世の英雄たちにいつまでも涙で襟を濡らさせる。

原文と書き下し文の対照

丞相祠堂何処尋 ― 丞相の祠堂 何れの処にか尋ねん
錦官城外柏森森 ― 錦官城外 柏森森たり
映階碧草自春色 ― 階に映ずる碧草は自づから春色
隔葉黄鸝空好音 ― 葉を隔つる黄鸝は空しく好音
三顧頻繁天下計 ― 三顧頻繁なり天下の計
両朝開済老臣心 ― 両朝開済す老臣の心
出師未捷身先死 ― 出師未だ捷たざるに身先づ死し
長使英雄涙満襟 ― 長く英雄をして涙襟に満たしむ

鑑賞

三国志の英雄・諸葛孔明への敬慕を詠んだ名作。「出師未だ捷たざるに身先づ死し」の句は、志半ばで倒れた人を悼む言葉として広く引かれます。

日本で親しまれる理由

諸葛孔明を詠む。三国志ファンにも人気

語句

丞相
宰相。諸葛亮
三顧
三顧の礼
両朝
劉備・劉禅の二代
出師
出兵

作者

杜甫の生涯と作品一覧は作者ページへ。

作られた背景

上元元年(760年)、成都の武侯祠を訪れた際の作とされる。

この詩から生まれた名前

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