ふしてこげんのくさをえてそうべつす賦得古原草送別
離離原上草
一歳一枯栄
野火焼不尽
春風吹又生
遠芳侵古道
晴翠接荒城
又送王孫去
萋萋満別情
一歳一枯栄
野火焼不尽
春風吹又生
遠芳侵古道
晴翠接荒城
又送王孫去
萋萋満別情
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
離離たる原上の草
一歳に一たび枯栄す
野火 焼けども尽きず
春風 吹いて又た生ず
遠芳 古道を侵し
晴翠 荒城に接す
又た王孫の去るを送れば
萋萋として別情満つ
現代語訳
野原に生い茂る草は、一年に一度枯れてはまた茂る。野火に焼かれても燃え尽きることはなく、春風が吹けばまた芽生える。遠くまで続く香しい草は古い道を覆い、日に輝く緑は荒れた城跡にまで続く。またあなたを見送れば、茂る草のように別れの思いが胸いっぱいに広がる。
原文と書き下し文の対照
離離原上草 ― 離離たる原上の草
一歳一枯栄 ― 一歳に一たび枯栄す
野火焼不尽 ― 野火 焼けども尽きず
春風吹又生 ― 春風 吹いて又た生ず
遠芳侵古道 ― 遠芳 古道を侵し
晴翠接荒城 ― 晴翠 荒城に接す
又送王孫去 ― 又た王孫の去るを送れば
萋萋満別情 ― 萋萋として別情満つ
鑑賞
「野火焼けども尽きず、春風吹いて又生ず」は、困難に負けない生命力を表す句として愛されています。白居易が十代で詠んだと伝えられる作品です。
日本で親しまれる理由
「野火焼けども尽きず」
語句
- 離離
- 草が茂るさま
- 賦得
- 決められた題で詩を作ること
- 王孫
- 貴公子。旅立つ友
- 萋萋
- 草が茂るさま
作者
白居易の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
科挙の受験準備として与えられた題で詠んだ習作とされる。若き白居易がこの詩で顧況に認められたという逸話は伝承。