にゅうけいのしにあう逢入京使
故園東望路漫漫
双袖竜鍾涙不乾
馬上相逢無紙筆
憑君伝語報平安
双袖竜鍾涙不乾
馬上相逢無紙筆
憑君伝語報平安
詩
※日本で一般に読まれている本文によります。
書き下し文
故園 東に望めば路 漫漫
双袖 竜鍾として涙乾かず
馬上 相逢ひて紙筆無し
君に憑りて伝語して平安を報ぜん
現代語訳
東の故郷を望めば、道ははてしなく遠い。両袖は涙でぐっしょり濡れて乾かない。馬上で都へ向かう使者に出会ったが、紙も筆もない。どうか君から、私は無事だと家族に伝えてくれないか。
原文と書き下し文の対照
故園東望路漫漫 ― 故園 東に望めば路 漫漫
双袖竜鍾涙不乾 ― 双袖 竜鍾として涙乾かず
馬上相逢無紙筆 ― 馬上 相逢ひて紙筆無し
憑君伝語報平安 ― 君に憑りて伝語して平安を報ぜん
鑑賞
手紙を書く暇もない、馬上でのすれ違い。「無事だと伝えて」という短い言葉に、家族への思いが凝縮されています。
日本で親しまれる理由
「馬上相逢うて紙筆無し」
語句
- 入京使
- 都へ向かう使者
- 漫漫
- はるかに遠いさま
- 竜鍾
- 涙で濡れるさま
- 平安
- 無事
作者
岑参の生涯と作品一覧は作者ページへ。
作られた背景
天宝八載(749年)、岑参が初めて西域へ赴任する途中の作とされる。